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AI活用 執筆: 伊藤 考矢(ThinkAllo代表)

中小企業のAI活用、最初の一歩は「業務の棚卸し」から——ツール選びより先にやること

「うちもそろそろAIを使ったほうがいいのだろうか」。静岡県東部の経営者の方から、最近この相談を本当によくいただきます。そして多くの方が最初に口にするのが「どのツールを入れればいいの?」という質問です。

結論から言うと、ツール選びから入るAI導入は、高い確率で失敗します。この記事では、私が現場で実際に使っている「最初の一歩」の踏み方をご紹介します。

なぜツール選びから入ると失敗するのか

ChatGPT、Claude、Copilot……。AIツールは月額数千円で導入でき、確かにどれも優秀です。しかし「とりあえず契約してみた」会社で起きるのは、だいたい次の流れです。

  1. 最初の1週間は物珍しさで何人かが触ってみる
  2. 「何に使えばいいか分からない」ので、だんだん開かなくなる
  3. 3ヶ月後、誰も使っていないのに月額費用だけが引き落とされている

原因はツールの性能ではありません。「自社のどの業務を、AIに任せるか」が決まっていないからです。道具は、使い道が決まってはじめて役に立ちます。

最初にやるべきは「業務の棚卸し」

やることはシンプルです。紙とペン、あるいはホワイトボードがあれば今日できます。

ステップ1: 1週間の業務を全部書き出す

社員それぞれが、1週間にやっている業務を思いつくまま書き出します。「見積書の作成」「問い合わせメールの返信」「日報の記入」「SNSの投稿」——粒度は粗くて構いません。まずは全部、見えるところに出すことが大切です。

ステップ2: 「型がある仕事」に印をつける

書き出した業務のうち、毎回だいたい同じ形式・同じ手順でやっている仕事に印をつけます。見積書、報告書、案内文、よくある質問への返信……。実は中小企業の事務作業の多くは、この「型がある仕事」です。そしてAIが最も得意なのが、まさにここです。

ステップ3: 「かかっている時間 × 頻度」で並べ替える

印をつけた業務を「1回あたりの時間 × 月の回数」で計算し、大きい順に並べます。これが御社のAI化優先順位表です。たとえば「1回30分 × 月40回の見積書作成」なら月20時間。この業務をAIで半分にできれば、月10時間——時給2,000円換算で月2万円分の時間が生まれます。

ポイント: 最初のターゲットは「一番大きい業務」ではなく「型がはっきりしていて、失敗してもリスクが小さい業務」から選ぶのがおすすめです。小さな成功体験が、社内にAIが定着する一番の近道です。

棚卸しができてから、はじめてツールを選ぶ

ここまでやると、「うちの会社は文章作成が多いからChatGPTかClaude」「Excel作業が多いからCopilot」というように、ツール選びが自動的に決まります。順番が逆なのです。

また、棚卸し表は補助金申請(IT導入補助金など)の事業計画を作る際の材料にもそのまま使えます。一度作っておいて損はありません。

まとめ——AI導入は「道具選び」ではなく「業務の整理」

  • ツール契約から入ると、3ヶ月後に「誰も使っていない」状態になりがち
  • 最初にやるのは業務の棚卸し。「型がある仕事」を見つける
  • 「時間 × 頻度」で優先順位をつけ、小さくリスクの低い業務から始める
  • ツール選びは棚卸しの後。自動的に決まる

とはいえ、自社だけで棚卸しをやりきるのは意外と大変です。「どこまで細かく書き出せばいいのか」「これはAIにできるのか」という判断には、少しだけ経験が要ります。

ThinkAlloの「AI経営診断パック」(5万円・2週間)では、この棚卸しをプロと一緒に行い、
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